「フェルマーの最終定理」とは？
文系の皆さん！「フェルマーの最終定理」（著：Simon Singh）という本をご存知ですか？
何その難しそうな本、というTHE・文系のあなた、ちょっと待ってください。私もこの本に出会うまで、そもそもそんな定理なんて存じ上げませんでした。だって数学なんて、苦手意識がありすぎて、一生懸命勉強していたのは中学校までなんですから。
でも数学界にとってはあまりにも有名な超難問だったみたいです。本を読み終わった後は知らなかったことを少し恥ずかしいとすら思っております。数学が大の苦手な私でも、読み終えた後に「面白かったなぁ」という感覚が生まれたので、今回はぜひこの本をご紹介したいと思います。
で、そもそも「フェルマーの最終定理」というのはこちら。
𝒙ⁿ+𝒚ⁿ=𝐳ⁿ この方程式は、𝐧が2より大きい場合には整数解を持たない。
正直これだけ聞いても「はあ？」という感じかもしれませんが、詳しい説明は省略しますね。私は文系なので。
（𝒙ⁿ ←そもそもこの文字を入力するのが初めてで、一苦労でした）
この、一見簡単そうに見える（らしい）数式を証明しようと、数多の数学者達が人生を賭けた、３世紀にも渡る壮大なドラマが描かれているのがこの本なんです。
文系にもおすすめな理由って？
数学がさっぱりな私が最後まで読み終えることができた理由。
それはまさに、この証明に挑戦した人たち、それぞれの人生が小説のように描かれているからです。
ことの発端は、この定理を発見した数学の天才、ピエール・ド・フェルマーさんが
「俺はこれ証明できちゃうんだけど、余白が狭すぎてここに書けないわ。」みたいなメモを残してこの世を去ったこと。（注：かなり勝手な解釈で表現しております）
か、、、かっこよすぎん？私もこんなこと言ってみたい。
残された数学者たちは、目の前に落とされたこの問題に夢中になるわけです。みんなで駅伝のタスキのように知恵を繋げて、この難題に立ち向かう。歴史的背景にも触れながら、一人一人の数学者を主人公にした短編集を読んでいるような感覚。段々とゴールに近づいていく様子がドラマティックで、どんどん読み進めてしまいます。
とは言っても、数式が出てくる時はどうしたらいいの？
いくら小説のようだと言っても、やはりテーマは数学。色々な数式が登場するので、私もそこは頭を悩ませました。
大丈夫、理解しなくっていいんです。立ち止まらずに読み進めちゃってください。
著者のサイモンさんは、数学苦手な人向けにもとっても分かりやすく説明してくださっていると思うんです。
私が受け止められないだけ。最初は何度も読み返して数式を理解しようとしましたが、無理でした。
早々に諦めて、この数学者たちの熱意の結末だけを追いかけようと決めたんです。
理解できない部分は正直、読み飛ばしました。（ごめんなさい）
読み飛ばしても面白い、この表現力にあっぱれ。
数式部分を読み飛ばしたとしても、ノンフィクションの物語として本当に面白い。
それがこの「フェルマーの最終定理」という本の最大の魅力なんじゃないかと思います。
文系のあなたにこそオススメしたい！人生を生きるヒントをもらおう
私はこれまで、読書において「ノンフィクション」というものにあまり縁がありませんでした。
でも、私たちの今の時代を築いてきた大先輩たちの生き方を学ぶことってとても大切なこと。
この本を読めば、こんなヒントがもらえるはずです。
・自分が課題にぶち当たった時に、それにどう立ち向かうか。
・時代が自分の味方をしてくれない時に、どう上手く乗り越えていくのか。
そして情熱を持って生きることの面白さを教えてくれます。
最後に、私の好きな一節をご紹介しますね。
岩澤理論は、それだけでは不十分だった。コリヴァギン＝フラッハ法もそれだけでは不十分である。
それぞれが相手を補い合ってはじめて完全になるのだ。
引用：Simon Singh（青木薫訳）『フェルマーの最終定理』新潮文庫,2006年,415頁
気になった方はぜひ！お手にとってみてくださいね。